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認知症とは

身近な問題「認知症」 自分は大丈夫と安心していいの?

 認知症は高齢化が進むにつれて急増しています。
 わが国の認知症の高齢者の数は、2012年には約305万人といわれていたが、2013年の厚生労働省の発表では、462万人といわれています。
 わが国では65歳以上の7人に1人85歳以上では、約3人に1人が認知症といわれています。
 認知症は高齢者に多くみられますが、64歳以下で発症することもあります。
 このような若年性認知症の人は約37,800人と推計されています。
 認知症は高齢になればなるほど、発症の危険は高まります。
 認知症は、決して特別な人がかかる病気ではありません。
 誰にでも起こる可能性があります。

「ご自分やご自分のご家族には関係ない」と考えず身近なこととして、まずは関心を持ちましょう。
介護する側、あるいはされる側として、だれもが将来、認知症という病気に関わる可能性は十分あると言えます。
認知症はひとごとではないのです。

加齢による「もの忘れ」と「認知症」の違い

 誰でも年をとると、体の動きや内臓が衰えます。同じように脳の働きも若いころのようにはいかなくなり、年齢相応の“もの忘れ”がみられるようになります。これは自然な老化現象です。
 一方、認知症は脳にあきらかな障害が出現する病気です。

加齢によるもの忘れ 「認知症」によるもの忘れ


出来事の一部を忘れる
(例:食事で何を食べたか忘れる)
出来事の全体を忘れる
(例:食事したこと自体を忘れる)

もの忘れをしている自覚がある
(思い出そうとする・ヒントがあれば思い出せる)
もの忘れをしている自覚がない
(「まだ食べていない」「食べさせてくれない」)



支障はない 支障がある

あまり進行しない 進行していく





なし
  • いつも同じ服を着ている
  • 段取りよく物事を行えないる
    (例:料理や買い物などの家事ができなくなる)
  • 時間(日付、曜日、季節)や場所、人物が分からなくなる
など
注:この表はあくまでも目安です。もの忘れが気になったら早めに受診することをお勧めします。

早期に専門医の受診をすすめる理由

早期発見、早期診断をして早期に適切な対応をすることは大変重要です

  1. 病気の確定
    本当に認知症なのか、症状が似ている他の病気なのかをはっきりさせるとともに、
    認知症を引き起こしている原因は何かを見極めることにより、的確な診断ができ、治療の方針が立てられます。
    認知症の進行を遅らせたり、症状を緩和することで、
    ご家族と一緒に過ごす時間を長くすることができ、
    またご家族、介護者の負担を軽くすることができます。
  2. 病気を理解する
    専門医から今後の病状についての見通しを聞くことで、ご家族や親戚が介護体制について相談したり、介護環境を整える準備ができます。
  3. 介護への道が開ける
    専門医の診断を受けて、病気について説明してもらうことによって、現状を受け入れる気持ちが生まれ、対応の仕方などアドバイスを受けることもできます。
認知症という病気を理解しないまま介護を続けていると、
症状がさらに進んでしまったり、ご家族との関係が悪化してしまうこともあります。


出典: 岐阜県認知症疾患医療センター(大垣病院内) 「認知症ってどんな病気?」
参考: 朝田 隆ほか
厚生労働科研究費補助金認知症対策総合研究事業
「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」(2013)

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